24/09/2026
🪷グル(師匠)から受け継がれる、それぞれのOdissi🪷
同じOdissi、同じ作品でも、受け継いできたグルや師系によって、身体の使い方やライン、重心、リズムの捉え方には違いがあります。
現代のOdissiは一人のグルがつくったものではなく、複数の偉大なグルたちによって復興・体系化されました。
グル・パンカジ・チャラン・ダスは、寺院で神に舞を捧げたマハリの伝統を色濃く伝え、優美さと深い表現を大切にしたグルです。
グル・ケルチャラン・モハパトラのスタイルは、寺院彫刻を思わせる曲線的で緻密な身体のライン、端正なチョーカやトゥリバンギ、リズムと細やかに結びついた動き、そして繊細で物語性豊かなアビナヤを特徴としています。
一方、デバプラサッド・ダスのスタイルは、民族舞踊・部族舞踊・ゴティプアなどの要素を取り入れた、低い重心と大地を感じさせる力強さ、躍動感と生命力が魅力です。「Sabda Swara Pata」も、このスタイルを特徴づける大切な要素です。
簡単に言えば、ケルチャラン系は彫刻的で緻密、優美。デバプラサッド系は、大地に根差した力強さと生命力。
もちろん、どちらにも優美さと力強さがあり、はっきり二つに分けられるものではありません。
今回、福井智美さんと高校生の山川あまねちゃんが踊る「Sthai」は、パンカジ・グルジの振付。二人はデバプラサッド・スタイルを学んでいます。
あまねちゃんは学校のお休みを利用して、智美さんのいる新潟まで行きリハーサルをしてくれました。送ってもらった練習動画がすごくいい!フォーメーションや構成も素晴らしく、めちゃめちゃいい舞台になると確信しています✨
そして、5人で踊る「Batu」は、ケルチャラン・グルジの振付です。
踊るのは、直原牧子さん、佐藤幸恵さん、毛塚七重さん、大町ソヨさん、そして私。
私たちが受け継いできたのは、デリーのマダヴィジ、ブバネーシュワルのグル・ガンガダール・プラダン、そしてSRJAN、それぞれの師系とスタイルです。
デリーとブバネーシュワルの違いも、正式な二つの「流派」というわけではありません。同じケルチャラン・グルジの系譜が、それぞれの師や学校によって継承され、発展してきた違いです。
デリーのマダヴィ・ムドゥガル女史の系譜には、すっきりと洗練された身体のラインと、空間を大きく使った美しい構成が感じられます。(直原牧子)
ブバネーシュワルにも一つではなく、ケルチャラン・グルジの技法と作品を受け継ぐSRJAN(佐藤幸恵・大町ソヨ)と、パンカジ、デバプラサッド、ケルチャラン各グルの教えを受けたガンガダール・プラダン師のスタイル(村上幸子・毛塚七重)があります。
グル・ガンガダール・プラダンは、ブバネーシュワルにOrissa Dance Academy、コナーラクにKonark Natya Mandapを設立し、多くの舞踊家を育てたグルです。
SRJANは、ケルチャラン・グルジが設立した舞踊学校。現在は息子のグル・ラティカント・モハパトラが、そのスタイルと作品を受け継いでいます。
牧子さん、七重さん&ソヨさんから届いた練習動画を見ると、それぞれの違いがよく見えて、Odissi Loverでマニアな私には面白くてたまりません!
Batuはオンラインミーティングでフォーメーションをかなり変更しました。5人全員で合わせられるのは本番前日のリハーサル。正直不安になるほどですが、七重さんがMiroを使って立ち位置や動きを可視化してくれ、とても助かっています。
異なる師から受け継いだものを持つ5人が、一つの作品をつくる。それぞれの違いと、それらが一つになっていく瞬間も、今回の舞台の大きな見どころです🪷
写真には、1990年代半ば、アンベール城で観たケルチャラン・グルジとマダヴィジのパフォーマンス、Konark Natya Mandapでのガンガダール・グルジとマハラジ。大蛇のように巻かれた大量の花輪に驚いた記憶が🤭
そして、幸恵さんがラティカント・グルジを日本にお招きした際、私が主催させていただいた大阪ワークショップ。たくさんの方にご参加いただき、感謝感激でした🙏
智美さんとあまねちゃんのリハーサル、Batuチームの初オンラインミーティングなど、今回の舞台につながる写真も一緒にご覧ください。
※Odissiとグルについての詳しい説明は、Sachiko Murakami Official Website「THEATRE―舞台芸術とオリッシー」に掲載しています。
これほど多彩なOdissiの魅力を一度にお届けできるフェスは、日本では本当に貴重な機会です。
今回も、マニアックでディープなOdissiの世界を、どうぞ存分にお楽しみください🪷